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カングロのナイジェリア事業

KANGLO NIGERIA


世界情勢は、中東やアフリカを中心に、日増しに不安定になり、厳しい時代に差し掛かったことを強く感じています。また、経済においても、某大国や我が国においてもデフォルト寸前であるという実態に接し、平和な世が一日でも長く続くことを祈るばかりであります。ただ、私たちは右往左往しているだけでは、何も始まらない、そうも感じています。そんな中、若手経営者や学生たちが自ら立ち上がり、「自分にできることはないか」と、日々駆け巡っている姿を目にする機会が増えてきました。素晴らしい兆しだと感じます。私たちは、彼らの献身的な姿、リスクを恐れない姿勢、大胆な行動力を知り、彼らから私たちも刺激を得、一歩前に出ることを決意しました。どうか貴方の力を貸して下さい。

 

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■ナイジェリア合弁企業

ナイジェリアのンゴジ・オコンジョ・イウェアラ(元財務大臣、現世界銀行専務理事)は、前の政権で挑んだ改革をまとめた著書『Reforming the Unreforemable』で「オイルマネーは事実上、この国の社会的で道徳的な骨格を破壊した」そう言い切っています。但し、多くの根深い課題を抱える同国にも、欧米から勝ち取った債務免除など、過去10年の経済政策効果で、ネガティブな空気が一気に吹っ飛び、「爆発する消費パワー」「ビジネスの大陸」と称されるほど、アフリカ大陸のリーダーシップ的な役割をより大きなものにしています。日本は、この現実を、噂話やニュース、ゴシップなどから勝手な判断をし、「まあ、アジアが一段落したら出ていくよ」「安全性が担保されるようになれば考えてみるか」などと悠長なことを言っている政治家や企業経営者が何と多いことか。実際にラゴスの1900万人都市の中に数日でも身を置けば、それが浅はかな認識であることはすぐに分かることです。弊社(KANGLO NIGERIA)もナイジェリアの最大都市ラゴスに拠点を構え 、一気に臨戦態勢に入っています。但し、我々1社で出来ることは限られています。大手も中小もベンチャーも関係ありません。日本連合として、如何にスピーディにマーケットの面を取りに行くか。その機は、中国、韓国、インド企業に序々に削り取られて行っています。恐らく、年内一杯で勝負が付いてしまうのではと感じています。「今こそナイジェリアに!」。アフリカの臍(へそ)であるナイジェリアで基盤が作れれば、3億人と言われる西アフリカ経済圏のECOWASだけでなく、アフリカ全土でのビジネスは必ず巧くいくと確信しています。

  

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ナイジェリア連邦共和国での投資ポテンシャルについて

アフリカの巨大市場ナイジェリアへの

主要国企業の参入も加速

市場のグローバル化に伴ってビジネス環境も徐々に改善

 

 ■2017年の実質GDP成長率はプラスに転じる

ナイジェリア国家統計局によると、2016年に1.5%のマイナス成長を記録した実質GDP成長率は、2017年は0.8%のプラスに転じた。産業別にみると、原油・天然ガス生産が大宗を占める鉱業部門が2016年の13.7%減(構成比5.5%)から、2017年は4.7%増(同9.2%)と好調だった。原油価格が2016年11月に1バレル25ドル前後で底を打って以降、2017年末に50ドル前後まで回復し、輸出が増加したことなどが背景にある。鉱業以外では農業(3.4%増)、建設(1.0%増)、金融・保険(1.3%増)、運輸(3.9%増)が増加したものの、そのほかは軒並みマイナスだった。一方、全体の実質GDP成長率は原油価格が一定の水準を保ち続ける限り、プラスを維持するとみられる。通貨ナイラの公定レートは、2016年6月20日にドルペッグ制が廃止され、市場の需給に基づくレートに移行した。これが実質的な通貨切り下げとなり、それまで1ドル200ナイラ前後だったレートは、315ナイラ前後まで下落した。両替商などが参加する並行市場では、2017年2月に1ドル500ナイラを下回っていたが、2017年6月初旬には360ナイラ前後まで上昇し、以降はほぼ同じ水準で取引されている(2018年6月時点)。原油価格の回復に加え、アフリカ開発銀行からの6億ドルの財政支援融資や、2017年2、3月のユーロ債合計15億ドルの発行など、政府の対外借り入れが奏功して外貨収入が確保された。さらに、ナイジェリア中央銀行(以下、中銀)の積極的な介入もあって外貨準備高は順調に増加した。2017年8月以降は2015年9月の水準であった310億ドル台を下回ることはなくなり、2018年4月に470億ドルに到達して以降、横ばいを続けている(2018年6月末時点)。2017年の月間輸入額の約21カ月分に相当する潤沢な外貨準備高と安定した為替レートは、海外投資家から歓迎され、2017年の資本輸入は全体で約2.4倍の大幅増となった。業種別資本輸入(フロー)をみると、株式投資が全体の82.6%を占め、前年比6倍近く増加した。大半はポートフォリオ投資、マネーマーケット商品に組み込まれている。

 

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■外貨調達の困難は解消に向かう

外貨調達は2017年に入って以前より容易になり、製品・原材料などの輸入も回復した。とはいえ、問題が完全に払しょくされたわけではない。必要とする外貨の多寡、事業者と取引銀行との関係、外貨の調達時期などによって獲得できる外貨量に差が生じている。他方、2015年から2016年初期にかけては、製品や原材料などに対して旺盛な需要があったにもかかわらず、外貨不足を受けて輸入が滞り、十分な供給ができないことが問題だった。これが、2017年2月以降は、外貨調達に係る困難さは解消されつつあるものの、この間に生じたナイラの公定レート下落や物価上昇を背景に需要自体が減退する事態となった。このため、課題は外貨の供給不足という側面から、市場の需要の減退という側面に移っている。ナイジェリア製造業協会は、実需の低迷による在庫積み上がりを懸念している。要因はインフレのほか、密輸、模倣品、国家予算可決の遅れにあるとしている。設備稼働率は上昇しているものの、同協会会員企業の在庫金額は2016年に904億3,000万ナイラだったのに対し2017年は3,211億ナイラとなり3.5倍以上増加した。中銀の2018年5月の調査によると、マクロ経済に対しては依然楽観しているものの、不十分な電力供給、高金利、不安定な政治情勢、実需不足が伸び悩みの原因としている。

 

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■原油価格の回復を受けて輸出入ともに大幅に増加

ナイジェリア国家統計局によると、2017年の輸出(通関ベース)は、前年比59.5%増と大幅な増加を記録した。政府は原油依存から脱却するため産業の多角化や外貨獲得手段の多様化を試みているが、2017年は依然として原油を含む鉱物性生産品が輸出全体の95.4%を占めた。一方、輸入もガソリンを含む鉱物性生産品が前年比6.0%増で全体の28.4%を占めた。化学工業製品は77.4%増となり全体の13.7%を占めた。産油国でありながら国内には石油精製施設が十分に整備されておらず、国内で消費するガソリンの多くを輸入に頼っている。さらに武装勢力による石油生産・輸送施設への相次ぐ襲撃や破壊活動も、国内生産が進まない大きな要因の一つである。貿易収支は2015年、2016年と赤字が続いたが、2017年は原油価格の回復を受けて132億ドルの黒字に転じた。輸出額を国別にみると、原油11兆267億ナイラのうち、インド向けが2兆1,800億ナイラ、米国が1兆5,945億ナイラ、以下スペイン、オランダ、フランスにそれぞれ1兆ナイラ前後輸出している。液化天然ガス(LNG)はスペイン向けに2,640億ナイラ、インドが2,345億ナイラ、フランスが2,146億ナイラ、日本が1,211億ナイラとなった。輸入額を国別にみると、ガソリンを含む鉱物性生産品はベルギーからの輸入が1兆493億ナイラ、オランダが6,347億ナイラ、フランスが1,581億ナイラとなった。化学工業製品は、中国から2,845億ナイラ、インドから1,302億ナイラ、米国から1,166億ナイラとなった。生活雑貨などを含むその他の輸入額は2,476億ナイラで、このうち約半分の1,272億ナイラを中国が占める。中国はナイジェリアにとって最大の輸入相手国(構成比18.7%)で、2017年の輸入額は1兆7,883億ナイラに上った。中国は機械・電気機器・同関連品(6,370億ナイラ)、精密機械・同関連製品(1,931億ナイラ)、卑金属・同製品(955億ナイラ)、プラスチック・ゴム製品(751億ナイラ)、木材パルプ・同製品(358億ナイラ)のカテゴリーすべてで1位だった。

 

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■食品や生活必需品の輸入規制が価格高騰の要因に

中銀は鶏肉、豚肉、牛肉、植物油脂、麺類、洗剤、プラスチック製雑貨など生活必需品41品目について、輸入決済に必要な外貨を外国為替市場で調達することを禁止している。これに加えて、鶏肉、豚肉、牛肉、卵、麺類、医薬品、洗剤など生活必需品21品目は輸入規制品目であり、特定の大手輸入業者が市場を独占し、価格が高止まりする要因となっている。さらに、2016年から段階的に実施されたナイラ公定レートの引き下げに伴ってナイラ建てでの調達コストが上昇し、小売価格に転嫁されている。生活必需品の多くを輸入に頼っている背景から2017年の消費者物価指数は16.5%と、2009年11月時点の物価を100と定めて以来、最高の上昇率となった。国内の産業保護への配慮から、自由貿易協定への加盟も進んでいない。2018年3月21日にアフリカ連合(AU)の臨時首脳会合で、アフリカ44カ国が署名したアフリカ大陸自由貿易協定(AfCFTA)には、2018年6月末時点で署名に至っていない。全国鉱工農業商工会議所が加盟に賛成している以外は、ナイジェリア製造業協会、民間セクター協会、ナイジェリア雇用者指導協会、ナイジェリア中小企業協会、国家小規模企業協会など主要な業界団体が時期尚早だと訴えている。

 

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■資本流入は大幅に増加

国家統計局によると直接投資、ポートフォリオ投資、その他投資を含むナイジェリアへの資本輸入(フロー)は、2017年は前年比138.6%増の122億2,858万ドルと大幅に増加した。業種別では、全体の82.6%を占める株式投資のほか、次ぐサービス、製造業などの主要業種で大幅な増加がみられた。国・地域別では、2017年は1位の英国が前年比2倍以上増加し43億4,567万ドル(構成比35.5%)、次いで米国が同2.6倍の24億6,693万ドル(20.2%)、ベルギーが同13倍の10億2,535万ドル(シェア8.4%)の順となった。この3カ国で全体の64.1%を占めた。国連貿易開発会議(UNCTAD)によると、2017年の対内直接投資(国際収支ベース、ネット、フロー)は前年比21.3%減の35億300万ドルだった。なお、対内グリーンフィールド投資は前年の51件から36件に、金額ベースでも62億5,800万ドルから45億700万ドルに減少した。対内クロスボーダーM&A(企業の合併・買収)は、国内に進出している外国企業が地場企業に事業を売却した案件がマイナスとして計上されるため、前年の4件からマイナス3件となった。金額ベース(ネット)でも、1億2,250万ドルからマイナス3,050万ドルとなった。fDi Marketsによると、2017年に発表された主な対内直接投資案件は、中国の靴メーカー華堅集団によるアビア州での製造拠点の設立(15億ドル)、中国繊維大手の山東如意科技集団によるカノ州での繊維工場建設(6億ドル)などがあった。シンガポールの農産品大手オラム・インターナショナルは2017年9月、カドゥナ州に畜産飼料工場と初生雛育成場を、クワラ州に畜産・養魚飼料工場を同時に開設した(合計1億5,000万ドル)。米大手日用品メーカーのプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、国内市場に加えてアフリカ広域への輸出向けに、オグン州アグバラの工場に生産ラインを新設していると報じられた(5,490万ドル)。

 

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■日本の対ナイジェリア輸出は前年から横ばい、輸入は減少

財務省「貿易統計(通関ベース)」によると、2017年の日本のナイジェリアへの輸出は前年比ほぼ横ばい(1.1%増)の360億1,300万円、輸入は6.0%減の883億2,600万円となった。輸出をみると、最大品目の鉄鋼フラットロール製品は前年比16.7%減の74億5,000万円となり、構成比は20.7%となった。エキスカベーター(掘削機)がほぼ全量を占める建設用・鉱山用機械は、2016年に地場大手セメント製造業ダンゴテセメントによる特殊需要で前年比7倍増となったが、2017年はその特需がなくなり87.4%減となった。一方、化学製品、ゴム製品、電気機器、二輪自動車はそれぞれ2桁増となった。日本の輸入は、液化天然ガス(LNG)が全体の81.6%を占め720億6,300万円となった。採油用のゴマの輸入は35億1,700万円(構成比4.0%)だった。日本企業によるナイジェリアへの投資では、2017年には目立った案件はなかった。一方で、肥料消費量が増加傾向にある中、2018年5月に東洋エンジニアリングはリバース州の大型肥料プラント第2トレインを受注した。インドラマ・エレメ肥料会社向けに尿素ライセンス供与、肥料プラントの基本設計・詳細設計・調達と試運転助勢を行うものである。第1トレインと同様、日産2,300トンのアンモニアプラントと、世界最大となる同4,000トンの尿素プラントと、ユーティリティ設備で構成される。

 

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  ※ソース:JETRO 世界貿易投資報告(2018年版)